しつこくされても困るので、とりあえず「どちら様ですか?」と聞いてみる。

すると少女は女の子にしては少しハスキーな声で「わかりませんか?」と逆に聞き返してきた。


「…さあ、ちょっと覚えがないんですけど」


だって見たところ高校生くらいだ。

高校生の知り合いなんていない。


モニターの向こう、少女が画面に顔を近付け、辺りを伺うように小さな声で言った。