肘はまだ掴まれたままで、その力強さに心臓が跳ねあがる。 肩が秋の胸あたりに触れていて、頭上から落っこちてくる秋の声で、ぶつけてもいないのに頭がバカになった。 秋からは、香水なのかシャンプーなのか、とにかく良い香りがして、鼻腔を通りすぎて私の肺へと吸い込まれていくその酸素が、酸素の役割を果たさない。 「唯?」 心配そうな秋の声に、胸のもやもやはひどくなる一方で、くらりと眩暈がした。