秋に連れられて向かった先は、こ洒落た料亭風の居酒屋で、のれんをくぐるとすぐに「いらっしゃいませー!」という元気のいい声が飛んできた。


店内にある奥座敷には、たくさんの靴が転がっており、すでに飲み始めていた芸人さん達が秋の後ろにいる私を一斉に見る。


「アキトさんの彼女?」

誰かの言葉に秋がすかさず「友達」と答えた。

その答えは当然でもっともで当たり前なのに、やっぱり友達なんだと凹む自分がいる。