メルラバ

「なにしてんの?」

聞き間違うはずもない。

秋の声。


固く瞑った瞳を開けたら、今まで見たことのない、真剣な怒り顔の秋がいた。

女子高生の右手が力なくパタリと落ち、ついでに大きな瞳から涙もこぼれ落ちた。

「なにしてるって聞いてんねん」

眉間にシワを寄せて、秋が泣いている彼女に詰め寄る。