メルラバ

「唯って本名?」

秋は、運ばれてきたアイスコーヒーにミルクもガムシロもいれず、ストローも使わずグラスに直接口をつけた。

決して小さくはないグラスを簡単に持つその手が、男らしいと感じる。
手は大きいけれど、指は細く繊細な造りをしていて、意味もなくドキッとした。

「本名に近いけど、ちょっと違うかな」
「本名ちゃうやん」

秋が関西人らしく突っ込んで、笑った。