メルラバ

秋、だ。

この白いおしぼりの向こうに秋がいる。

「なに。泣いてんの?唯やんなぁ?」

返事をしない、おしぼりを目に当てたままの私に、秋が心配そうな声をだす。

びっくりするほど、良い声だ。

低く、それでいて艶があって、鼓膜に直接触れてくるような、嘘みたいに良い声。
まるでバイオリンだ。