あたし達の話題は、あっという間に

野外実習の話題へと変わっていた。

〔野外実習前日〕

「なんか、偏ってるわよね。今回。」

「そうですね・・・。行きの1日目は移動日とか書いてありますし。」

優衣が、配布されたしおりを見ながら、

苦笑している。

ここから京都までって、そんなに遠いの?

「知らないけどさ。京都までは新幹線で、行くんだって。」

「ふーん。そうなんだ。」

よくわかんないけど、

先生は、ホテルが遠い・・・みたいなことを言っていたわね。

「いいんじゃねーの?」

「まぁ、こうゆうのもいっか。」

この学校らしいかもね。

野外実習って言ったって、

形だけで、簡単に言っちゃえば修学旅行みたいな?

「それでは、解散にします。」

「「「「「はーい。」」」」」

一斉に返事をして、

生徒会室を出る。

「じゃあねー。優衣、あんり。」

「うん。バイバイ。」

「さよならです。美希ちゃん。」

女の子同士で、手を振りあって、

別れの挨拶をする。

そして、

もう何回一緒に歩いたかわからない道を

瞬と歩く。

「じゃあな。あんり。」

「うん。また明日ね。」

あたしが手を振ると、

その手をいきなりつかまれた。

そして、

「チュっ」

っと手にキス。

「また明日。」

もーっ!

瞬にはいつまでたっても、

かなわないや。