もう君には恋はしない

あたしは瞬をおいて、

1人部屋に戻ろうと部屋のドアを開けた。

〔瞬side〕

夕食を食べ終わって、あんりと一緒に部屋に戻ろうとした俺を、

あんりのお母さんは引き止めた。

一体なんの話だろう?

「お母さん?どうかしたんですか?」

「ねぇ、瞬君はあんりのこと・・・。好き?」

「もちろん。好きですよ。」

よどみなく答える。

だって、本当のことだから。

「あんりを、よろしくね。」

「どうゆう意味ですか?」

何回も言われた、この言葉。

なんの意味かくらい、

本当はわかるけど・・・。

あえて、きいてみる。

「わかってるくせに。あんりが、過去に恋愛で傷ついてること。」

「えぇ、知ってますよ。くわしくは教えてもらってないですけど。」

「それのことよ。ありがとね、あんりを好きになってくれて。」

お母さんは、すごく優しい顔をしていた。

あんりのことが、本気で心配だったんだろう。

「瞬君のおかげで、今のあんりがいるから。」

「そう・・・ですか?」

「そうよ。だからこれからも、よろしくね。」

「はい。」

俺は、お母さんをこれ以上心配させないように、

真面目な顔で返事した。

「後、もう1つ。」

「なんですか?」

さっきとはうって変わったイタズラっぽい

表情をしたお母さんは、

「ちょっとくらいなら、あんりにエッチなことしてもいいわよ。」

と俺に言った。

「はいっ・・・。」

俺は少し苦笑気味に、笑いながら

返事をかえす。

ちょっとくらい・・・ねぇ・・。

あんりが拒まなかったら、

ヤッてみようかな〔笑〕

そんな期待を胸に、

俺はあんりの部屋のドアを開けたのだった。

〔瞬side.end〕