もう君には恋はしない

そして、夕食中。

「あんり?あんた、その目の下のどうしたの?」

「あ、これ?ちょ、ちょっとね・・。」

とりあえず、最初はごまかしてみる。

・・・が、

そんなことで母さんが納得してくれるわけもなく。

「瞬君?あんりの目の下の件、何か知ってる?」

「あぁ、あれは、あんりが俺の女だっていうマークですよ。」

ちょっ!

そんなにはっきり言うっ!?

ありえないわ、ホントに。

「瞬っ!何言い出すのよっ!」

「だって、お母さんに嘘はいけないだろ?」

「だからって、そんなはっきり言わなくてもいいじゃないっ//」

「でも、はっきり言ったほうがわかりやすいし。」

わかりやすかったら、ダメなんだってば//

恥ずかしいでしょ・・。もぉ・・・。

「もしかして・・・。キスマーク?」

「「っ!」」

母さんがいきなり発した1言に、

あたし達は息を呑んだ。

よく考えれば、なんで瞬まで?

「あ、当たり?」

黙ってるあたし達を見て、

母さんは嬉しそうに言う。

「もーいいでしょっ//ごちそうさまっ。」

あたしは、あまりに恥ずかしくなって、

その場を去ることにした。

「俺も、ごちそうさまでした。」

ちょうど食べ終わった瞬も、

あたしについてくる。

「あ、瞬君。ちょっと。」

後ろで、瞬を呼ぶ母さんの声がして

思わず振り向くと、

瞬だけを手招きしている母さんの姿があった。

「なんですか?」

「ちょっと耳かして?」

母さんは瞬の耳に口元を寄せて、

何かを言ってるみたい。

まぁ・・・。

あたしには関係ないか。