もう君には恋はしない

「おじゃましまーす。」

「はいはい。いらっしゃい、瞬君。」

「どうも、お世話になってます。」

「いえいえ。あんりのこと、大切にしてくれてるみたいで。」

「もちろんですよ。」

・・・とまぁ、こんな感じ。

家に入ってから、数秒も経たないうちに

母さんと瞬の間ではこんな会話が、

始まっていた。

「もーっ。母さん?瞬も。」

「「何?」」

「『何?』じゃ、ないわよ//恥ずかしいでしょ?」

「何がよー。よかったわね。いい彼氏サンをもてて。」

「もー知らないっ//行こ、瞬。」

「おう。それでは。」

「ごゆっくり♪」

母さんったら、調子にのって・・・。

やってらんない。

あたしは、瞬を連れて、部屋に戻った。

こんなにひやかされてー・・・。

恥ずかしすぎっ//

「着いたよ。」

「1回入ったことあるけど。変わってねーな。」

「当たり前でしょ。何もしてないもん。」

「そっか。」

うー//

緊張してきた・・・//

あの時は、まだ好きって言われてなかったし

お互い気持ちを伝えてなかったわけで。

今は、全然違うっ//

あたし達は、恋人同士だし。

最近はなんだかムードが・・・。その。

甘いのよ//

「しゅ、瞬?」

気になって、声をかけてしまう。

「どうした?あんり?」

「あの・・・。なんか、変な感じね。」

「どうゆうことだ?」

「だって、あたしの部屋で、瞬と・・・。その。」

『2人っきりなんて//』

学校とかなら、わかるけど。

ここはあたしの部屋。

「あんり・・・?なんか、期待してる?」

「期待・・・?」

「こうゆうことだよ。」

瞬はそう言って、

あたしの顎に手をかける。

いつもより少しだけ高く上に向かされて、

あたしの唇が、瞬のそれに包まれる。

「んんっ・・・!」

「ん・・・・。チュッ。」

「きゃっ・・・。」

いつもより長いキスに、後ろへ下がってしまっていたみたい。

ベッドに足をぶつけて、

倒れこんでしまう。

「瞬・・・?」

あたしの上に、仰向けに倒れこんだ瞬は、

すごく真剣な顔をしていた。

「な、何・・・?」

「なぁ、キス・・・したい?」

「な、何っ?いきなり//」

「今は俺とお前だけしかいない。だから・・・。」

「だから?」

あたしが聞き返すと、瞬はあたしの耳に、

チュッとキスした後、

「何回でもしてやる。」

と囁いた。