もう君には恋はしない

「だから、あんなふうにスキンシップできるのが、少しだけ羨ましいですわ。」

「そうですか・・・。」

そりゃ、そうだよね。

好きな人と一緒にいれないなんて、

寂しいわよ。

なんとなくしんみりした空気に、

ピンポンパンポーン

と響いた放送。

なにかしら?

『もうすぐ午後の部が始まります。生徒会の皆さんはテントに集まってください。』

なあーんだ。

生徒会の呼び出しか。

って・・・。

あたしはどうしたら、いいのかしら?

「もう、そんな時間ですね。」

リリア先輩が、座っていたイスから立ち上がった。

「あ、あたしは・・・。」

「あんりさんはゆっくりなさってくれてもいいわよ?」

「で、でも・・・。」

あたし、何もしてないじゃない。

「頑張ってくれてたのは、知ってるわ。だから、無理しないで?」

相変わらずの優しい笑顔で、あたしを宥めるように

言ってくれる。

その後、

「劉蟻君も。あんりさんが寂しい思いをしないように、そばにいてあげて?」

と、瞬のところにも言っている。

「いいんですか?」

「彼女のほうが大切だと私は思うから。ね?」

「は、はぁ・・・。」

瞬も少し困ってるようだ。

でも、

「姫椿先輩がいうなら。そうさせてもらいます。」

と返事をした。

やっぱりリリア先輩はよく見てるなぁ・・・。

きれいで優しくて、

かっこいい。

ついついそう思ってしまうのだ。

「それでは、皆さん行きますよ。」

手際よく皆をまとめて、

優衣達をつれていくリリア先輩。

「また、様子を伺いにきますね。」

「は、はい。」

それでは、と言ってから

保健室を出て行くリリア先輩、と優衣、美希、桐。

よく考えれば、

また瞬と2人っきりだ///