もう君には恋はしない

「うまぁー。さんきゅー。」

あたしのイチゴジャムのパンを、

美味しそうに食べている瞬。

「そんなに言わなくても・・・。」

「いや、美味いって。」

「ただのイチゴジャムパンだよ?」

「お前がくれたことに、意味があんの♪」

「っ!・・・あっそ//」

もー//朝から恥ずかしいー//

「朝からラブラブね、お二人さん。」

そんなあたし達のやり取りを見ていたのか、

母さんがあたし達の横を通りながら言う。

「もーっ//母さんっ!」

「何よ?ほら、もうそろそろ時間よー。」

「わかってるってば//」

あたしは瞬の手を引いて、

玄関へと向かう。

「い、行ってきますっ。」

「行ってらっしゃい。瞬君も、気をつけてね。」

「はーいっ。」

他人とは思えないくらい、普通に、

あたしの母さんと挨拶を交わす瞬。

なんて慣れるのが早いのかしら。

「ほら、行こーぜ。」

「はいはい。」

もう、なんかあたしも慣れちゃった。

あたしも。

こんな毎日が、楽しくてしかたがないわ。

「なあ、あんり。」

「ん?何?」

「好きだよ。」

「へっ?し、知ってるわよ//そんなこと//」

「ちゃんと伝えとかないとな、と思ってさ。」

「・・・毎日伝わってるわよ・・//」

「そっか//」

あたしは顔真っ赤。

瞬はなんだか嬉しそうな顔をして。

このまんま、学校に行くと思うと、

なんだか恥ずかしい。

どんな会話してたのか、

見られただけで、わかっちゃいそうで。