もう君には恋はしない

「ちょっと、恥ずかしいじゃないっ//」

「お前がキスしてって言ったんだろ?」

「冗談って言ったじゃないっ//」

むきになって、

瞬の顔に自分の顔を

近づけた。

「どした?もう1回してやろうか?」

「もういいっ//」

ぷいっと顔を背ける。

瞬のバカ・・・。

もー熱が出そうよ。

「あんり?こっち向けよ。」

「嫌//」

「俺が、悪かったからさ。」

瞬はいつものように、

あたしを後ろから抱きしめる。

あたしの前に組まれた手は、

見ただけで

ぎゅっと力がこめられているのがわかる。

あたしを逃がすまい、

と、言っているように。

「わかったから、離してよ。」

「嫌。お前の身体、あったかいな。」

「な、何言うのよっ//」

「いや、昼間よりあったかいなと思って。」

首筋にかかる、瞬の吐息が

なんだか近い。

「瞬っ?もうそろそろ、部屋に戻らないと・・・。」

「まだ平気だって。」

そんなこと

言われても・・・。

時間は

瞬の思ってるより

早く過ぎてるんだけど・・・。

そう思った瞬間。

あたしの部屋から、

誰か出てきた。

多分・・・。

優衣だ。