それは、

あんりが傷ついてることを

知ってたから。

確信はなかった。

でも、

すぐに告白したら、

理由もなく

断られてしまうような

気がして。

だから、

少しずつ

少しずつ

慣らしていくように。

俺に

心を開いてくれるように。

ちょっとずつ仲良くなってから、

告白した。

俺が、

初めてあんりの家に行った日。

あんりが泊めてくれた日だ。

その日、

多分やっと俺に心を開いてくれたんじゃ

ないかなって

思った。

その日の夜に

告白してやろうかと

思ったけど。

やめた。

まだダメかもしれなかったら

嫌だったから。

理由もなく、

断られるのが

怖かったから。

あとは、

あんりを

困らせるのが

嫌だったからってのもある。

ぐるぐる迷わせるのは、

そんなことは

あまりしたくないから。

「ってこと。どう?満足?」

「お前、ホントにあんりのこと好きなんだなぁ。」

「な、なんでそうなる。」

「だって、お前が告白するのが怖いって・・・。」

「な、なんだよ・・。」

「それだけ好きだってことだろ。」

「っ!は、恥ずかしい奴。」

「うるせっ。」

俺は、

あらためてあんりのことが

好きなんだって

自覚した。

こんなことは、

桐には絶対言わないけど。

「ほら、もうねっぞ。」


「おう。」
俺達は、

なんかよくわかんない気持ちで、

眠りについた。

あんりの部屋に、

襲いに行ってやろうかと

ちょっとだけ思ったけど。

怖がらせたら嫌だし。

まぁ、

もうちょっと後でもいいだろう。

なんて

思いながら、

俺はまぶたを閉じた。

〔瞬side.end〕