もう君には恋はしない

教室にて・・・。

「わー!クラスの人数も多いのねー!」

「そうですね・・。でも、なんか皆打ち解けてますね。」

・・雰囲気はいいみたい・・・。

噂ではもっとピリピリしているってきいてたのに・・・。

名門高だから、皆余裕なのかもね。

・・にしても。

ここはなんでこんなに美少年、美少女ばっかりなの?

「見ない顔ね。高校から入ってきたの?」

ドアのところで立ち尽くしていたあたし達に、

真っ先に声をかけてきたのは、ツインテールの女子生徒。

・・あれ?この子、この容姿でこの学校に入れたのかしら?

確かに、可愛いんだけど・・・。

優衣みたいに清楚な感じでもないし、

あたしみたいに特別目立つわけでもない。

ぶっちゃけ、あまり頭がよさそうとはいえなかった。

「うん。あなたは、中学から?」

「そうよ。あなた達が、噂になってた女子生徒ね。」

う、噂になってたんだ・・・。

どうりで注目されたわけだ。

あたしと優衣は顔を見合わせた。

「あなた達、すごいわね。今年の基準は厳しいから、誰も入ってこないって言われてたのよ」

「へぇ・・・。」

そうだったんだ・・・。
そりゃあ、注目されるよね。あたしも、優衣も。

「あなた達、名前は?あたしと、友達になってよ。」

・・・いい子だな・・。すごく気さくだし。
流石、ここの生徒ね。

「こちらこそ。あたしは、倉狩野あんり。この子は・・。」

「わ、私は、飛鳥優衣ですっ。」

「2人共よろしく。あたし、霧弥美希。皆美希って呼んでるから、美希って呼んで。」

そう云って、美希は手招きした。

・・教室も、普通とは雰囲気ちがうわね・・・。

なんか、お金持ちの私立学校に入ったみたい。

ま、ここは、実力さえあれば入れるけどね。

「2人の席はあっちだよ。」

美希が指差して教えてくれた。

ここの生徒は、皆親切なのかしら。

「ありがと。」
あたしの席は、窓側の一番後ろ。

その前が、優衣の席になっていた。

ふぅーん。隣は男子が座るのね。

流石、共学。男子も女子も、同じくらいいるんだ。

「お前の席、羨ましー。隣、高校から入ってきたって噂のカワイコチャンじゃん。」

そんな声が、隣からきこえてくる。あたしのどこが、カワイコチャンなの?

・・にしても。

あたしの隣も、かなり美少年。

よく見ると、すごい注目をうけている。

・・へぇー。女子の視線の的ってわけか。

ま、あたしには、関係ないけど。

でも、隣とくらいは話せるようになったほうがいいかな・・・。

ふぅー。話しかけてみますか!