その日の夜。

「はぁ・・・。明日かぁ・・・。」

なんだか、

時が過ぎるのは早い。

最近妙に感じることだ。

「瞬と、どんな風に接したらいいのかしら・・・。」

そして、

最近のあたしは考え込むことが

多いようだ。

初めての?

・・・恋。

今になって思うけど、

昔のあの恋愛は、

確かに初恋だったわ。

でも、

今とは全然違うと思うの。

何かが。

明日の用意が済んで、

あたしがふぅ・・・と

一息ついた時。

ガチャっと突然、

あたしの部屋のドアが開いた。

「あんり?まだ起きてたの?」

「か、母さん?どうしたの?こんな夜中に。」

「なんとなく、気になっちゃって。ごめんね。」

「別にいいけど・・・。」

母さん、

なんかあったのかしら?

あたしの部屋を、

覗きにくるなんて。

夜中に大声で騒いでた時以来だわ。

「あんたさ、大丈夫?」

「何が?」

いつもどうりの顔で

答えてみせる。

今回は、

何も思い当たることがなかったから。

「何が?じゃ、ないわよ。気づいてないの?」

「だから、何?」

「明日のことよ。瞬君と行くんでしょ?」

「そ、そうよ。」

「・・・。本当にわかってないのね。」

母さんは、

はぁ・・・と溜め息をついた。

「ちょ、ちょっと・・。」

「まあ、まだ早いかもね。おやすみ。」

「お、おやすみ・・。」

よくわかんないことだけを言い残して、

母さんは部屋を去った。

「・・・なんだったのかしら?」

まだ早いことで、

大丈夫って言われること?

それって、もしかして・・・。

「き、きゃーっ!」

あまりにも、

いやらしい・・というか、

エッチなこと。

〔あたしの口からは絶対いえない。〕

を、考えてしまって、

ベッドの上で悶える。

「べ、別に何も考えてないんだから。」

そう自分に言い聞かせるように呟いて、

あたしは布団に入った。

「おやすみっ!」

暗闇に少し大声で言って、

あたしは眠りについた。