それから、

1ヶ月が経った。

「あんりちゃん、いよいよ明日からですね。」

優衣はSHRの後、

すぐにあたしに話しかけてきた。

「そうだね。楽しみ。」

本当に楽しみだわ。

あたしと、

瞬と、

優衣と、

桐と、

美希。

こんなに多くの友達と旅行なんて、

もちろん初めてだし・・・。

何より、

その中に彼氏が混ざってるなんて。

ドキドキする。

「明日は、何時に集合します?」

「んー?あたしの家は?皆知ってるでしょ?」

「はい。多分。私は桐君と行きますし、美希ちゃんは?」

「あたしは、あんりんち知ってるよー。」

「なら、あたしんちでいいね。」

「はい。それでは、また明日。」

バイバイ、と別れの挨拶を優衣達と、

美希にしてから、

あたしは瞬に目を向けた。

「あ、あたし達はどうする?明日。」

「俺も、あんりんちに行くよ。皆より早めに。」

「なんで?」

「お前と2人きりになりたいからに決まってるだろ。」

「なっ!何言ってるのよ//」

「当たり前のことを言っただけだし。」

「も、もうっ//」

あたしは、

ぷいっと目を逸らした。

「ゴメンって。」

そんなあたしに瞬は、

後ろからぎゅっと抱きしめてきたのだ。

・・・なんだか、

瞬はあたしとのスキンシップが

うまくなってる気がするわ。

なんか悔しい・・・。

あたしだけ、恥ずかしい思いをしてるみたい。

「瞬のバカ・・・。恥ずかしいって言ってるじゃない//」

「機嫌、悪くなっちゃったか?」

「別にっ・・・!」

「悪かったって・・・。・・チュッ。」

「きゃっ!」

「これで、許してくれよ。」

瞬は少し恥ずかしそうに

顔を赤くした。

恥ずかしくないわけじゃ、

ないのかもしれないわね。

あたしも瞬も、まだまだ・・・。

こんな関係に

なれたわけじゃないのね。

きっと。