「あ、あのさ・・。優衣。」

「はい?なんですか、あんりちゃん。」

「優衣と桐って、つき合ってるの?」

あたしは

思わずきいた。

だって、

本当にびっくりしたから。

自分のことと、

瞬のことで、

頭がいっぱいだったからって・・・。

こんな身近な人のことの

変化に気づかないとは、

思わなかったわ。

「あ、はい。数日前に告白されまして・・・//」

優衣は恥ずかしそうに

顔を赤くした。

「だって、優衣ちゃんのこと好きになっちゃったから。」

桐は堂々と胸を張って、

優衣の横に立っている。

本当に仲いいのね・・・。

確かに、

この2人ならお似合いだわ。

「桐のほうが、優衣にベタぼれじゃない。」

「そ、そうですか・・・?恥ずかしいですよ//」

「夏休みの予定とか、もう決まってるの?」

「ま、まだですよ。」

「ならさ、皆で出かけにいかない?旅行とか。」

「いいですね。桐君、夏休み空いてます?」

「空いてるけど。」

「よかったぁ。あんりちゃんが、一緒に旅行に行かないかって言ってるんですよ。」

「ふーん。優衣が行くなら、俺も行くー。」

優衣はすぐさま桐に話して、

安心したような笑みを浮かべている。

優衣、変わったな・・・。

表情が、

優しくなった気がする。

「あんり?なんの話?」

「あ!瞬っ!あのね、今旅行の話があがってるんだけど・・・。」

「それで?」

「その・・・。一緒にこない?」

は、恥ずかしい・・・!

優衣は、

あんなに自然に誘えてるのに・・・。

あたしはいつまでたっても緊張してばっかりだわ//

「夏休みだろ?別に空いてるからいーけど。」

「そ、それならよかった。」

あたしは瞬と、

優衣は桐と話していると・・・。

それを今まで眺めていた

美希が声を上げた。

「いーなぁ!あたしも、彼氏欲しいーっ!」

「み、美希?」

「美希ちゃん?」

あたしと優衣は

同時に美希のほうに振り向いた。

「そ、そんなこといわれても・・・。」

欲しいっていわれても、

気がついたら瞬のことがその・・・。

す、好きになってた、あたしにとって、

どうしたらいいかなんて

わかるはずもない。

「美希ちゃん、可愛いんですから、すぐできますよ。」

そんなあたしの横で

優衣は美希をフォローしていた。

優衣って、

すごくいい子よね。

桐が好きになるわけだわ。