もう君には恋はしない

「・・・ホント・・か?」

「・・・。」

思わず黙り込む、

あたし。

だって、

1回しかこんなこと言えないもの。

「・・・はい、って言ったよな・・?」

それでも、

何回も確認してくる。

きこえてるなら、

なんで確認するのかしら?

あまりにいつもと違う瞬に、

あたしはもう一度。

「はいっ。」

と答えた。

「・・・ありがとう。」

「きゃっ・・!」

いきなり強く抱きしめられて、

あたしは驚いた。

でも、瞬の手を見てみると、

なぜか震えていた。

・・・?

なんで、震えているの?

「瞬?手、震えてるわよ・・?」

「そんなこと、ないだろ・・・。」

・・いやいや。

見れば、わかるでしょ。

小刻みに、そう。

まるで、

緊張しているときみたいに。

「・・もしかして、緊張しているの?」

「なんで、そう思うんだ・・・?」

「あたしも、緊張しているとき、手が震えるタイプなのよ。」

・・・おかしい。

やっぱり変よ。

なんで、手を繋ぐときは、

緊張しなくて。

抱きしめるときは、

緊張するの?

「なんか、瞬らしくないわね。」

「なにがだよ。」

「今日の瞬のことよ。あたしが、わからないはず、ないでしょ?」

「なんで・・?」

「それは・・・。」

それは、

あたしが1番瞬といたと思うから。

なんて。

恥ずかしくて、言えるわけがない//

「なんでも、いいでしょ//とりあえず、家にもどろ?」

・・・なに、言ってんだ。

告白された直後に、

部屋に招きいれる女子が、

どこにいるっていうのよっ!

ここに・・・、

いた。

今日のあたしは、

いつもよりずっと、大胆。

・・・かもしれない。