「ほら、入ろ。」

「お、おう。」

あたしは一様、ただいまーと言いながら家に入った。

すると・・・

「あら、お帰り。早かったわね。」

「か、母さん!?仕事は!?」

「今からよ。あら・・・?瞬・・君?」

あたしの後ろをちらっと見て

母さんも驚いてるみたい。

「どうも、久しぶりです。」

「瞬君・・なのね。変わってないわね。」

母さんは、すごく嬉しそうな顔をしてた。

どうして母さんが・・・?

「戻ってきてくれてありがとう。あんりを幸せにしてくれて、ありがとうね。」

「お、俺は別に・・・。」

「そんなこと言わないで?あんりが今、笑ってられるのは、間違いなくあなたのおかげだから。じゃあね。」

「は、はぁ・・。」

母さんは、あたしにも

「行ってくるわね。」

と言ってから、玄関を通りすぎた。

そして、瞬の隣で少しだけ止まって

「これからもあんりをよろしくね。」

そう、呟いていた。

「はい。もちろんです。」

そう、返事をした瞬の顔は

またいつもの笑顔に戻っていた。