もう君には恋はしない

瞬と再会してから、数週間が経った。

いまだにあたしは、2年間でずっとかっこよくなった瞬に

見慣れない感じ。

「あんり、はよ。」

「お、おはよっ・・・。」

2人で登校する、この道は

全然かわってないのに。

どうしてだろう、あたしの目に映る世界は

すごく変わった気がした。

「どうした?」

「な、何がよ//」

「俺の顔ばっかり見つめてるから。」

「・・・キス、したかっただけ。」

「じゃあ、望みをかなえてやる。」

優しくあたしの顎に、手をかける綺麗な指も

ゆっくり触れる柔らかい唇も。

あたしは瞬の何もかもが、今は欲しくなる。

2年間も待ったんだから

これくらいいいでしょ?

「ほら、着いたぞ。」

「うん。行こ。」

指を絡めあって握る、恋人繋ぎで

あたし達は学校へと入っていった。