もう君には恋はしない

「はぁ・・・。」

あたしは、

これ以上ないくらい大きな溜め息をついた。

学校が終わり、

やっと週末に入ったという安心感と。

どうしたらいいの?

という疑問と、

どこからかくる不安で。

あたしの部屋は、

溜め息だらけだ。

「あたし、おかしいでしょ・・・。瞬と会ってからずっと。」

考えまい、としてることが、

急にぐるぐる頭を回る。

でも、

それに気づかないようにしているかのように。

あたしの身体が、

拒絶してるみたいだわ。

「なんなの?こんな経験初めてだわ。」

意味もなく、

ぽちぽちケータイをいじる。

「・・・?これ・・。」

たどり着いたのは、

1つの小説サイト。

‘Love,sky’

「・・・?ラブ・・スカイ・・・?」

・・・ケータイ小説サイト、

みたい。

あたしは、

なんとなくそのサイトを開いた。

1時間後・・・。

「何これ、おもしろいわね。」

あたしは、

夢中になっていた。

2時間半ほどの、

長い時間を忘れるくらいに。

それで、わかったことが、

1つ。

それは、あたしが、

わかりそうでわかりたくなかったこと。

・・・あたしは。

あたしは、瞬が、好きだったんだ。

1つのケータイ小説で、

目がいったっていうか、気になったのがあって。

それは、あたしにすごくよく似た女の子が、

恋に落ちる話だった。

それを読み終えたとき、

思ったの。

・・・あぁ、あたし、瞬が好きなのかも。

って。

もう、

自分を誤魔化したりしないわ。

あたしは、

自分で決めた約束を。

初めて破った。