・・・知らない場所にて・・?

「しゅ、瞬?ここ、どこ?」

「もうちょっと行ったらわかるって。」

瞬に手を引かれて、歩くこと数分。

なんだか、騒がしい雰囲気・・・?

「何かやってるの?」

「お祭りだって。お前、着物着てるしちょーどいいじゃん?」

「そうね。」

りんご飴、あるかしら・・・?

後、綿飴も食べたいわね・・・。

「あんり?どうかしたか?」

「んーん。なんでもないわ。」

「なら、いーけど。」

こんなこと、言えないっ///

よく考えれば、食べ物のことばっかりだし

女の子としてそれは・・・。

ちょっと考えるものがある。

「・・・あ。」

考えないように、してたのにー。

運がいいのか悪いのか。

すぐに、りんご飴の屋台を見つけてしまった。

「ん?お前、りんご飴食べてーの?」

「う・・・。・・うん。」

少しだけ視線を宙にさまよわせてから

こくり、と頷いてみる。

「ちょっと待ってろよ。」

瞬は小走りで、屋台に近づいて

あたしにりんご飴を買ってくれた。

「ゴメンね。あたし、お金払うわよ?」

「俺が買ってやりたかったんだから、いーんだって。」

「そ、そう・・・?」

「そうそう。お前は俺の隣にいてくれればいいの。」

瞬の、隣にいるだけで?

あたしだって、ずって瞬の隣にいたいと思う。

「ありがとね、瞬。」

「いいって。」

いつもの優しい笑顔で

あたしの手を握ってくる。

「結構人ごみだからな。はぐれたら困んだろ。」

「うん。」

あたしは、瞬の手を

少しだけ強く握った。