次の朝。

いつものどうり、

暖かい日差しがあたしの頬を撫でる。

いつもと違うのは、
あたしの頭を撫でる大きな

・・・手?

「ちょっ!何っ?」

「お、やっと起きたか?」

「しゅ、瞬っ!」

・・・忘れていた。

昨夜、

あたしはこいつとおんなじベッドで寝たんだ。

「あんり?」

「もうっ!おどかさないでっ!」

「何も、やってねーけど。とりあえず、落ち着けよ。」

瞬の手が、

あたしを安心させるように。

優しく、

肩をぽんぽんとたたく。

「朝メシは、なしだな。食ってたら、遅刻するぞ。」

「も、もうそんな時間っ?」

「お前も早く着替えてこい。」

あたしは、着替えを持って、

洗面へと急いだ。

・・・あんなこと、言っといて、

なんて普通な態度なの?

着替えをしながら、

昨夜のことが頭によぎる。

『好きだよ。』

・・・なんて。

なによそれ。

考えただけで、

身体が熱くなるわ。

「あー、もう。ホントにやめた。」

あたしは、

ブルブルと頭を振る。

「あんりー?準備、出来たかー?」

「今行くわーっ!」

あたしの朝には珍しいくらいの大声で、

返事をする。

「おまたせ。」

「朝の女子はながいなー。早く、行くぞ。」

「わかってるわよ。」

出来るだけ、

いつものとうりにぷいっと視線を逸らす。

差し出された手を、

今日はあきらめたように握った。

「おっ!今日は抵抗しないんだ。」

「時間がないから、それだけよっ//」

「ま、抵抗されないくらいには、心許してもらえたってことだよな。」

「なにそれ//」

「別にー。行くぞ。」

「わかってるわよっ。」

あたしは普通に瞬の横に並ぶ。

出来るだけ、

普通に。

自分にも、

わからない気持ちを。

隠すように。