もう君には恋はしない

「紹介してちょうだいよ。」

「えー?」

「いいじゃない。だめ?」

「もー。わかったよ。」

ちょっと待ってて、と母さんに言って

リリア先輩に近づく。

「リリア先輩。」

「なんですか?」

「ちょっといいですか?」

リリア先輩を連れて、母さんの前に戻る。

「姫椿リリア先輩。生徒会でも一緒なの。」

「姫椿リリアです。どうぞよろしく。」

いつもの笑顔をうかべて、母さんに自己紹介する

リリア先輩。

「いつもあんりがお世話になってます。」

「いえいえ。あんりさんには、手伝ってもらってばかりですよ。」

・・・楽しそうに雑談をしている、リリア先輩と母さん。

そんな2人を隣で見ていると・・・。

「あんりちゃんっ。」

「ん?」

優衣がツンツン、と肩を突いてきた。

「どうしたの?優衣。」

「瞬君が、嫉妬しちゃって・・・。機嫌悪いんですよ?どうにかしてくださいよー。」

・・・瞬が?

「どこにいるの?」

「あそこです。」

優衣がちっちゃく指をさす。

指差した先には・・・。

いかにも機嫌悪そうに、こっちを見ている瞬の姿があった。

「ちょっと行ってくる。」

慌てて、瞬のところに駆け寄るあたし。

「瞬?どうしたの?」

「別に。」

もー・・・。なんでこんなになっちゃったかなぁ・・・。

「嫉妬・・・してくれてるの?」

「違うし。」

嘘付け。

そんな不機嫌な顔して、嫉妬じゃないわけないでしょ。

ぶすっとしてて、拗ねてる時とよく似てる。

「じゃあ、なんでそんな怖い顔してるの?」

「お前が・・・。」

“お前が、俺のそばにいてくれないから・・・。”

ぼそっと呟く瞬。

「ゴメン。もう離れたりしないから。機嫌直して?」

あたしはすぐに、謝った。