そして、神社にて。

「あっ。優衣達きてるんだっ。」

「ん?どこどこ?」

「あそこっ!あそこだってっ!」

「あー?どこだよ?」

あたしが、

あそこだってっ!

と、必死に指をさす。

だって、ここの神社、

もう人ごみになってるんだもの。

「あ。いたっ。」

「ほら、言ったじゃん。」

「悪い悪い。」

瞬が気づいてくれたことだし、

優衣達にも気づいてもらわないとね。

「優衣ーっ!」

「あっ!あんりちゃんっ!」

人ごみの中を、手を振りながら

走っていく。

「おはようございますっ。あんりちゃん。」

「おはよー。あ、桐も一緒なんだ?」

「はい。あんりちゃんは・・・。瞬君と一緒じゃないんですか?」

「あれ?瞬っ?」

思わず走ってきちゃったから、

はぐれちゃったかしら・・・?

瞬の姿が、見当たらない。

「ったく、いきなり走ってんじゃねーよ。バカ。」

「瞬っ!」

あたしの頭に、ポンっと強めに手がおかれる。

「はぐれるわけねーだろ。」

心を読んだみたいに、

あたしを安心させる言葉を言ってくれる。

「おいてきやがってー。」

「わっ!ごめんってばっ。」

あたしの首に、腕をまわして

軽くしめてくる。

本当に、しめられてるわけじゃなくて

一種のスキンシップ。

「ちょっ。苦しいってばっ。」

「俺をおいていったお仕置き。」

あたしの頭に、頭をのせて

〔それくらいの身長差がある〕

少し楽しそうに言ってくる。