「ベッド、1つしかないくせに、無茶しやがって。」

「べ、別にいいでしょっ//」

いいわけないでしょっ!

と、自分にツッコミながら。

あたしはおずおずと布団に入った。

「んで、俺は・・・どうすれば?」

「わかってるでしょ。」

あたしは、少し怒ったように言う。

いつも、

あんなに強引なのに。


こんなときは瞬じゃない

・・・みたいだわ。

「はぁ・・・。わかったよ。ほら、場所空けろ。」

「あ、ごめん。」

あたしは、ぱっと、

壁に身体を押し付けるようにして、

間をつくった。

「そんなに寄れとは言ってねーよ。」

瞬は少し苦笑して、

あたしの身体を引き寄せた。

「しゅ、瞬っ!?」

「何、慌ててんだよ。もう寝ろって。」

「うん・・・。」

瞬の身体は、

思ったよりも温かかった。

なんでかしら。

男子とこうやって横になったことが

なかったからかもれない。

今のあたしの心臓は。

壊れそうなくらい、

ドキドキしてる。

そんなとき、

「好きだよ、あんり。」

と、いきなり聞こえた瞬の声。

・・・え?

な、何っ・・・?

「なんて、こいつが起きてる時に言えたらいいのにな。」

苦笑気味に呟く瞬。

どうやら、

あたしが寝てると思ってるみたい。

・・・瞬が、

あたしを、

好き・・・?

あたしは、どうなんだろう・・・?

確かに、

瞬のことは特別かもしれない。
でも、好きかどうかは、

あたしにはわからない・・・。

それに、もう、

恋愛はしない。

って決めたから。

・・・やめた。

もう今日は考えずに寝よう。

あたしは、おやすみ、瞬、と心の中で呟いて、

身体の力を抜く。

なぜかすぐに、

あたしの意識は暗闇に落ちた。