もう君には恋はしない

「それに・・・。」

「ん?どうしたの?」

「俺には、お前がいればいいし。他の奴なんてどーでもいい。」

「っ//きょ、今日はどうしたのっ?瞬っ。」

「お前が誰かにとられないように、アピってんの。」

・・・なんという独占欲っ。

でも、なんか・・・。

嬉しいわね//

ピーンポンパーんポーン。

『皆さん、楽しんでいただけてますでしょうか?』

「あっ。リリア先輩の放送・・・。」

「もう、ダンスとかなんとかか?」

「かもね。」

『今からチークダンスを始めます。パートナーがいる方は、2人組みになってください。』

・・・。やっぱり。

て、いうか。チークダンスって何?

「ねぇ、瞬。チークダンスって何?」

「俺、やったことあるから。俺に合わせればいいから。」

「う、うん。」

他のカップル?にあわせて、あたしと瞬も

向かい合って手を繋ぐ。

すると、

体育館がほんのちょっとだけ薄暗くなって、

スローな曲が、かかりだした。

〔もともと、明るかったわけじゃないけど。〕

「チークってのは、ほっぺたのことなんだ。頬がくっつくくらい近づいて踊るから
チークダンスっていうんだぜ?」

「そ、そうなんだ・・・。」

あたし、ダンスなんか踊ったことないのよっ?

だって、どっかのおじょーさまじゃないんだから。

ふつーの高校生ですからっ。

「んな顔すんなって。大丈夫だから。」

「えっ?」

「俺が、ちゃんとリードするし。俺に合わせて、足動かしてくれればいーから。」

「わ、わかったわ。」

瞬は、あたしの腰に腕を回して、

身体がぎゅっと密着するほど、抱き寄せた。

左の手は、あたしの手としっかり指を絡ませて握ってくる。

「しゅ、瞬・・・?」

「目、逸らすなって。俺をちゃんと見ろよ。」

「う、うん・・。」

は、恥ずかしーっ///

瞬は、なんか手馴れてるみたいだけど、

恥ずかしすぎっ//

少しだけ上にある、瞬の目を見ると

いつもはあまり見せない、優しい顔で

ニコっと微笑まれた。