「この曲さぁ。なんかぁちょっとだけ切ない?」

「そう?あたしは好きよ?」

「あたしもぉ、好きだよぉ?なんか、キュンってするぅ?」

「わかるわかる。」

歌うのが好きらしい、マミちゃんと

きゃっきゃはしゃぐあたし。

マミちゃん、歌うまいんだもん。

「マミちゃんさ、歌の練習とかしてた?」

「んーん。してないよぉ?」

「嘘っ!歌うまいじゃん。」

「カラオケ好きだからぁ。」

「そっかぁ・・。」

すごいなぁ・・・。

「あんりちゃんだって、うまいよぉ?」

「ホント?ありがと。」

実は、あたしもカラオケ大好きだったりする。

「あんりちゃん?もうそろそろ帰りじゃない?」

「あらら?ホントだ。」

楽しくて、時間忘れてた。

時計の針は、もう6時をまわっていた。

「解散するぅ?」

「リリア先輩にいっとかないとね。」

「あたしが言っとくよぉ。」

「ありがと。」

じゃ、あたしは帰ろっかな。

あんまり遅いと、母さん心配するし。

「瞬ー。帰ろ?」

「お。終わったん?」

「うん。多分。」

「んじゃ、行くか。」

あたしは

バイバーイ、と皆に手を振って、

体育館を後にした。


後から、思ったことだけど

今日はマミちゃんとしか、話してないような・・・。

理由は簡単。

優衣は、ずっと体育館の隅で桐とイチャイチャしてたし、

美希とカンナちゃんは、ステージ裏でガールズトークしてたらしい。

でも、

皆が楽しいなら・・・それでいっか。

今日はなんか、気分がいいわ

と思いながら、瞬の横を歩いた。