「なぁ、あんり?」

「な、なにっ?」

「そんなに、テンパんなって。」

「あ、ご、ごめんっ。」

はぁ・・・。

なにやってんだ、あたしは。

こんな言葉、

今日だけで2回目かも。

「メシ、どーする?買いに行くか?」

「そうだね、とりあえず。」

・・とりあえず、

あたしも落ち着かなきゃ。

「近くにスーパーあるから。そこ行こ?」

「そうだな。」

あたしが荷物を置いて、

玄関に行くと。

先に荷物を置き終えた瞬が待っててくれている。

「ほら、行くぞ。」

そう言って、

手を差し出してくる。

「な、なんで、手?」

「今のお前、ちゃんと掴んどかないと、どっか行っちまいそうだから。」

「そ、そんなこと、ないわよ。」

「じゃあ俺が、繋ぎたいだけ。」

少し乱暴に掴んで、

瞬はあたしを引っ張って歩いていく。

・・・変なとこだけ優しい奴ね。

正直言うと、ちょっと嬉しい//

「ここか?」

「うん。さっさと済ませて、帰ろう。」

これ以上、瞬と近づいてたら、

頭パンクしそう。

本当に、

最近のあたしはらしくない。

早く寝たら、

・・・治るかしら?

「俺、これにしよー。お前は?」

「あ、あたし?・・・。」

いきなりきかれて、

少し戸惑った。

数秒考えて。

「これ、かな。」

近くにあったサラダを手に取った。

「こんな、少ししか食べねーの?」

「夜は、あんまり食べないようにしてるの。」

・・・女子として、当たり前でしょ。

太ったら、困るもん。

「へー。じゃ、レジ持ってくし。」

「あ、ありがと。」

・・・本当に、変なとこだけ、

優しい奴。

あたしの心は

ほんわかと暖かくなったような気がした。