〔あんりside〕

瞬の部屋にて。

・・・なんだったの?

瞬のお母さんと、あたしの母さんは

すっごく似てる気がする。

そんなことないはずなのに、似てる。

言ってる言葉も、

自分の子どもを思う気持ちも。

何か、似てる。

「・・・?瞬も、こんな気持ちだったのかしら・・・?」

思わず、考え込んでしまう。

だって、あたしとおんなじってことは

瞬も、心に傷を抱えてるんじゃないの?

あたしには、話してくれたことないけど・・・

辛い思いを、したことがあるんじゃないの?

だから、あたしを待ってくれたの?

自分も感じたことが、あるから。

もし、瞬に。

ホントにそんな経験があるなら。

今度はあたしが、包み込んであげれたら

いいのにな。

あたしが何も言わなくても

恋愛を避けてたことがわかったのは

瞬が、おんなじ思いをしたことが、あるからなのかしら?

「・・・教えてくれるかな・・・?」

誰にだって、話したくない過去はあるし

それを無理にきこうとは思わないわ。

でも、それが“遠慮”であるなら

聞かせて欲しいと思う。

そんなあたしは、

欲張りかしら・・・?

〔あんりside.end〕