もう君には恋はしない

お店にて。

「ど、どうもぉ・・・。」

あたしは、昨日相手をしてくれた定員さんに声をかけた。

「あっ!昨日のお客様っ!」

「今日は、友達も連れてきたんですけど・・・。」

「わっ!可愛い方ばっかりですね・・・。」

定員さんは、あたしから1人ずつ、順番に見ていく。

「大人数ですみません。」

「と、とんでもないですっ!こ、こちらへどうぞっ。」

案内されたとうり、中へ入っていくあたし達。

うわぁーっ!

目立ってんなぁ、あたし達。

中にいた、お客さんの視線、受けまくり。

「な、なんか目立ってますね・・・。」

「ま、まあね。」

そりゃあ、こんなに可愛い子ばっかりそろってたら、

誰だってみるよ。

皆、名門高〔容姿も見る〕・・・の

生徒なんだから。

「あら、今日は皆連れてきてくれたの?」

「はい。」

スタイリストさんも、少し驚いた様子。

「こんな美人さんばかり、どこで集めたの?」

「あたしと、おんなじ学校です。」

「なんていうの?」

「黄燐学園っていいます」

「おうりん?」

「はい。」

スタイリストさんの顔が、少し引きつった。

「もしかして、東京の名門高?」

「そうです。」

「・・・なら、当然ってことね。さて、どんなにしましょうか?」

「皆に似合うので。」

「了解しましたっ。」

スタイリストさんは、

まかせて、といわんばかり

胸をたたいた。

これなら、安心ね。

この人、すっごく腕いいんだから。

あたしは

『たまには、女の子同士もいいわね。』

と思いつつも、

『瞬に会いたい。』

と、思ってしまうのだった。

皆には、絶対言えないけどね。