もう君には恋はしない

学校終了後。

「あんりー、優衣ー。帰ろー?」

「はいっ。帰りましょう?」

「・・・ごめん、2人共。あたし、ちょっと寄るとこあるから。先帰って?」

「そうなん?じゃあ、帰ろっか、優衣。」

「そうですね。」

あたしは、教室でバイバイ、と2人を見送ってから、

ある所へと向かった。

「・・・このあたしが、こんなことになるなんてね・・。」

あたしは、はぁ・・・

と溜め息をついた。

そう、あるところ、

というのはこの学校の図書室。

今日の授業で、全然集中出来なかった分、

図書室で勉強しようと考えたのだ。

「ここ・・・かな?」

がらっとドアを開けると、

そこに人はいなかった。

「・・これなら、集中できそうね。」

他人のことで、こんなに一喜一憂したのは、

初めて。

このあたしが、

こんなに振り回されるなんて・・・。

瞬って、何者?

「いけない!・・集中集中。」

・・・数時間後。

「も、もうこんな時間っ!そろそろ帰ろうかしら。」

あたしは、ささっと荷物をまとめて、

図書室をでた。

「あ、あれっ・・・?」

下校途中にある、公園。

あたしはそこで

ある人物をみつけた。

瞬だ。

「しゅ、瞬?」