前田光との出会いはなかなか最悪なものだった おれが大学一年目で一人暮らしをしていた夏に 奴(ヤツ)は隣にこしてきた せっかくだから隣人とは仲を良くしておこうと思ったおれは 親切にも隣人に挨拶をしに行ったのだ …いや、もうその時点で(地味で)真面目な自分が馬鹿だった なんであの時挨拶なんかに行ってしまったんだと 今では後悔している 「すいません、今日隣に越してきた前田さんですよね?」 … 返事がなかった と思いきや彼女はドアを開ける前から既にボロ泣きをしていたのだ