空けたまま口にしていないビールをふと目にやってからおれは


もうどうにでもなれ!と思ってしまった

そして前田から目をそらしてこう言った


「この間さ、前田おれにキス…したんだよ、」

「はぁ??」

「よ、酔っ払った勢いで…」

「…」


控えめな自分に出せる最大の音量でそう言ってやった



ああ

もうどうにでもなれ


次の日からいくら笑いのネタにされても仕方ない


笑え、笑ってくれよ

恥ずかしいから


どうせ気持ち悪いとか思ってんだろ






長らく沈黙が続いたので、ふと彼女を見てみる勇気が出て来て、そうしてみると