中学では、まざまざと現実を突きつけられた。
私は私学の女学院に入ったけど噂は流れてきてた。
カッコイい、男の子があの中学にいる――
コウくんはもう、”コウくん“じゃなかった。
背も伸びて、昔なんかより男の子らしくなって、周りの女の子はみんなコウくんに夢中だった。



コウくん、コウくん、と後ろをついて回って頭を撫でてくれたコウくん。 
もう、私だけのコウくんではなくなってしまったと思い知ったときだった。



それから、コウくんを避け始めた。
ただ、コウくんはそれを知っても私の誕生日とか、クリスマスとか、贈り物をしてくれた。
だから、逢わずにいてもコウくんはすぐ側にいた。



“幼なじみ”として。




そして、コウくんが高校に入った時事件は起きた。


コウくんが女の子から告白されていたのだ、家の近くの公園で。
それを、聞いてしまったとこを見られてしまい逃げる羽目になった。







―――その時、コウくんが好きだと気付いた。