次の日から俺はある意味有名人になった。
 何故か……。それは俺が彼女、春日朱音と付き合いだしたからだ。
「嘘だ!あの春日朱音がお前みたいな何でもない男のことを好きだなんて!」
「そんなこと俺に言われたって……」
 みんな朝からこの調子だ。
「別れろ!」
「はぁ!?」
「申し訳ないと思うなら今すぐ彼女と別れるんだ!」
「誰に申し訳ないと思うんだよ!」
 こいつらはしつこい。本っ当にしつこい。下手したら、こいつらの手によって別れさせられるんじゃないかと思うほどだ。
 でも確かに、どうして彼女みたいな人が俺なんかを好きなのかわからない。
 昨日あれからずっと考えたが全くわからなかった。
「とっとと別れろー!!」
 後ろからはまだうるさくみんなの声が聞こえていた。