「どうだった?」
「相手は一年の男の子。告白の言葉を全部言う前に、彼女からごめんなさいが……」「そっか……。またか……」
「でもさ、春日朱音の好きな人って誰だろうな」
 俺はちょっとした話題にしただけなんだけど……
「それはさ……きっとさ……めちゃくちゃ格好良くてさ……顔もスタイルもよくてさ……」
「ごめん。切り出した俺が悪かった……」 みんながまぢで落ち込み始めた。
「帰ろ!何か食ってこ!」
 俺たちが帰ろうと教室を出ようとした時、ちょうど帰ってきた春日朱音とぶつかりそうになった。
「っと、ごめん」
「ごめんね」
 みんなの視線が痛い。
 みんなが先に行ってしまったので後を追おうとしたら彼女に呼び止められた。
「聖二、ちょっといい?」
「えっ、うん」
 何だ!この青春ちっくな感じ。
「聖二〜!」
 後ろからみんなの声が聞こえる。そして相変わらず視線が痛い。
「ちょっと聖二借りていいかな?」
 彼女が 満面の笑みでいった。
「全然いいよ」
 みんなの言葉に花がとんでるのが見える。
 二人で教室に戻った。
 オレンジ色した西日が教室に差し込み、逆光で彼女の顔が見えなくなった。
 しばらくの沈黙が続く。
 このシチュエーションはまさか……などと考えながら俺は彼女からの言葉を待った。
「あのさ……」
 俺は息をのんだ。
「……好き……なんだ」
 キターー!!きたぞ!!
 俺は即答した。