「どうして本当のこと言わないんだよ!」
「……言ったってあいつには言い訳にしか聞こえないよ」
 俺は自嘲気味に言った。
「……聖二」
 朱音ちゃんが心配そうに俺を見た。
「……俺と牧と祐二は幼なじみなんだ」
 ポツリポツリと言葉を紡ぐように話し始めた。
「小学校からずっと一緒で、毎朝一緒に学校行って、休み時間は3人でバカやって。そん時からサッカーで遊び始めてたんだ。放課後は日が暮れるまでサッカーやって、帰りも一緒に帰ってた。中学あがって、牧はサッカーやめたんだけど、俺と祐二はサッカー部に入ったんだ。自分で言うのもなんだけど、俺たち上手かったんだ。1年からレギュラーで試合も出て、2年になってもそんな感じだった。3年になって、先輩たちは俺をキャプテンに推薦したんだけど、俺そういうの面倒臭いからさ、祐二がキャプテンになったんだ」
 牧と彼女は黙って聞いている。
 こうして話していると、あの時の事が鮮明に思い出せた。