隣の彼女がメイドだったんだけど。






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午後の3時は酷く眠くなる時間だ。

昼過ぎくらいまで山田の書庫掃除を手伝った後、部屋に戻ってきて参考書なんか開いていた俺は、気がつけばうとうとしていたようだ。

ようだ、と曖昧な表現なのは何故かと言えば。


「嵐さーん。午後の紅茶っすよー」


ノックのあとにこちらの返事も待たずして開け放たれたドアに、ビクリと目が覚めたからだ。

それまで自分が寝ているとも思わなかった。

俺は開け放たれたドアから入ってくる山田を見やって、それから参考書へと視線を戻してから、深く息を吸って、吐く。

山田はトレイを持って、のんびりこちらへ歩み寄ってきた。


「もしかして寝てたんすか?」

「寝てない。うとうとしてたくらいだ」

「そんな変わんないっすよー」

「黙れ」


参考書を閉じて、まぶたを擦った。

頭がぼんやりとしている。

昼に書庫の掃除を手伝ったせいではない。

最近の寝不足がたたっているのだ。


親父が帰ってきたあの一件以来、俺はまた昔のように、夜、寝付きが悪くなっていた。

多くて4時間、少なくて2時間くらい、酷い時には一睡もできない日だってある。


……ホント、疫病神だなあのクソ親父。


内心で悪態をつき、舌打ちした。