隣の彼女がメイドだったんだけど。





なんだよ、と目で訴えかけると、山田は大量の本を抱え直して口を開く。


「ドア、開けてくださいよ」

「は?」

「わたしさっきから手が塞がって、ドアが開けられなくて超困ってたんすよ」

「…………。」

「だから本を床に置こうと思ってしゃがみ込んだ途端に、ドアがばーんで、わたしどーんで、どんがらがっしゃーんっすよ」

「いやそこまで派手じゃなかっただろ。」

「ちなみにモップは脇に挟んでたんすよ」

「誰も聞いてねぇよ。」


いや、そうじゃなくて、だ。


「なんで俺の部屋のドアを開ける必要がある?」

「えー、だってこの本、全部嵐さんの部屋に置こうと思って持って来たヤツですし」


お前どんだけフリーダムだよ。


「俺の許可もなしに何勝手なことしようとしている……?」

「えー、ダメっすか」

「当たり前だろ!」

「じゃあこれ嵐さんの部屋に置いといていいっすかね?」

「なんでそうなる!?」

「だって許可なしはダメなんすよね?」

「だからって今ここで許可得ようとか図々しいことしてんじゃねぇよ。」

「嵐さんマジ心狭いっすわー」

「黙れ。」


コイツはホントに、フリーダムすら超越してる。

フリーダム超越したらなんつーんだ?

っつーかその前に、なんでコイツ、この本を俺の部屋に置こうとか考えたんだ。


よりにもよって、この本たちを。