「……これ、全部どこにあった?」
本を片付けている山田の横顔に問う。
山田は当然のように、「書庫っすよ」と答えた。
俺は眉をひそめる。
「書庫に?」
「そうっすよ?」
「なんで書庫にあるんだよ」
「え、そんなことわたしに聞かれても超困るんすけど」
「あったもんはあったんすから、いいじゃないっすかー」と投げやりに言う山田に、たしかに書庫にあったならそれ以上考えることもないだろう。
けれど。でも。
あったからそれでいい、なんていう安易な答えじゃ俺は納得しない。
何故ならこの本は、全部過去に。
――母さんが亡くなった時に、親父が捨てたはずだった。
「……嵐さん?」
山田が表情を微々たる動きで、怪訝なものに変える。
俺は「なんでもない」と答えて、手に持っていた本を、山田が作った本の山の一番上に置いた。
そこで気づく。
「……その、本の山」
「あい?」
「もしかして、それ一気に、しかもひとりで運んでたんじゃないだろうな」
「え、そうっすけど」
あっさり答えた山田の頭をスパーン!と叩きたくなったが、辛うじて耐えた。
バカだ。コイツはマジでリアルに救いようのない程度にはバカだ。


