山田が何か言おうと口を開く。
その口をもう一度塞いでやった。
これで3回目。
片手で数えられるうちは、まだまだ全然、満足しないし、してやらねぇ。
「……嵐さん、キス魔っすか」
唇を解放すると、山田はいぶかしげな表情で、俺を上目に見やった。
さあな、と誤魔化す。
山田は少しだけ、ムスッとした顔になる。
「あんま不意打ちされると困るんすけど」
「お前に隙があるから悪い」
「なんすかそれ。やめてくれーっすよ。不意打ち」
「それはヤダ」
「えー」
「お前が俺のモンになったら考えないこともない」
にやり。
言ってやると、山田は「うえー」と舌を出した。
その頭をもう一度くしゃりと撫でて、歩き出す。
山田も自然、隣を歩き始めた。
「ないわー嵐さんマジないわー」
「言ってろ。」
「なんすか嵐さんアレっすか?少女漫画の読みすぎっすか?パクリっすか?」
「読んでねぇしパクってもねぇ。」
「それでアレっすか。信じられねっすよ」
「うるせぇよ。っつーかお前はもうちょっと背を伸ばせ」
「なんでっすか」
「キスがしづれぇ。」
「うわーもっとないわー」


