隣の彼女がメイドだったんだけど。





売り飛ばして買い戻す。

あーマジで、コイツ金で買えるなら今すぐ買ってる。

山田はモップを手に、もう片方の手を左右に軽く振って見せた。


「ヤダな嵐さん冗談っすよー。変人とは思ってますけど変態とは思ってないっすから」

「大差ねぇよ。」

「否定しないところを見ると変人なのは認めてるんすね」

「一般人の常識は知らねぇからなって何笑ってんだよ。」

「ぷーくすく…いえ、なんでもないっすよ」

「ぷーくすくすとかあからさまに笑っといてなんでもねぇとかよく言えんなお前。」

「プークスクレオパトラって言おうと思って」

「偉大な人物に余計な単語つけてんじゃねぇよ。」


山田の頬をつまんで引っ張る。

柔らかい頬はよく伸びた。

山田は頬を引っ張られながら「地味にいひゃいっふよー(痛いっすよー)」と言いながらモップで俺の靴をつつく。

モップの掃除する側でよく主(家の者)の靴つつけるなコイツ。度胸ありすぎだろ。

ある意味感心する度胸の持ち主山田真子は、しばらくモップで抵抗を試みていたが、不意に何かを思い出したようで。


「あ、そういえば嵐さん」

「あ?」

「うちの学校って天文台があるってマジっすか?」

「あー…そういやお前今年からうちの学校なんだっけか」

「そうなんすよ。超ピカピカの1年生っすよー」

「超ピカピカなのは大理石だけにしろ。」

「友達100人もできねーっすわ」

「山田だからな。」

「え、なんすか、佐藤ならできる的なジンクスがあるんすか」

「そういう意味じゃねぇよ。」


「お前の性格が癖強すぎるんだよ」と説明すると、山田は「AB型は寿司食わねーでガリ食ってるって言われるんすけどそういうことっすか」と妙に納得していた。お前AB型だったのか。