隣の彼女がメイドだったんだけど。






+++++




結局、家に帰りついたのは夜中近くになってしまった。

というのも、親父と話すのが長くなり、家族会議だとか言っていたものの、途中から山田も宮埜も加わって4人でなんやかんやと長話していたせいだ。

それでも、久しぶり、というか、もしかしたら初めてかもしれない親父とのちゃんとした会話は、お互いいろいろと話したいことが多すぎて、1時間やそこらでは語りつくせなかったのも、また事実だ。


そんなわけで、この時間。

従者はすでに寝静まっていて、今頃寝泊まりしている隣の家に戻るのも迷惑かもしれないということで、山田は今日こちらの家に寝ることになった。

最初は空いている部屋を貸そうと言っていたのだが、俺が冗談半分で「一緒に寝る?」と聞けば、山田は「いいっすよ?」とあっさり賛成しやがった。

少しは戸惑え。

なので、現在山田はメイド服姿で(着替えが隣の家にあるので)人のベッドの上に陣取り、本を読み漁っているのだった。


「……お前は今日オールでもするつもりか」

「そういうつもりはないっすけどね」

「じゃあいい加減寝ろ」

「いやー、読み聞かせる本どれがいいかなと思って」

「すでに読み聞かせ確定かよ。ふざけんな。」

「いいじゃないっすか。読み聞かせの途中で寝ちゃう嵐さん激レアな可愛さなんすよ」

「黙れ。」


ぷーくすくすと笑う山田の頭を鷲掴み、ぐしゃぐしゃと髪の毛を荒らす。

「照れるならもうちょっと可愛い照れ方してくんないっすかねー」とかなんとかほざいているお前にだけは言われたくない。

山田は髪の毛を正しながら、ぶつくさと文句を言い始める。


「まったく。人のこと誰よりも大事だとかなんだとか言いつつ、この扱いっすか。これが格差社会っすか。ないわー」