莉央さんの声に引かれてそっちを見た飛鳥が立ち上がる。 「飛鳥……?」 飛鳥の視線の先には、伊吹さんの前に置かれたあたしが食べているのと同じショートケーキ。 伊吹さんはケーキにフォークを入れる。 「だめっ……」 小さくて声は聞こえなかったが、飛鳥の口がそう動いた。 飛鳥は早足で伊吹さんに近づき、フォークを持った手を掴む。 「だめっ。食べないでっ……食べたらだめ……」