保険医が出張で居なかったため、職員室に居た田沼教頭に鍵を開けてもらって中に入る。
田沼教頭は鍵を開けるとすぐに戻っていった。
「何があったの?」
切り傷がない事を確かめてから訊く。
「先生と少し話をして、校舎に戻ろうとした時、いきなり誰かに腕を掴まれて、カッター突き付けられて……。瑠稀の声聞いたらすぐに逃げたんだけど……」
飛鳥は左の袖をめくって腕を見せてくれた。
赤く指の跡が残る二の腕を、断ってから捻り、内側の方も見る。
内側の方には掌の跡がくっきり赤く残っている。
「冷やした方がいいよね……?」
入口近くの壁に寄りかかって様子を見ていたルークを見る。

