ここでは初めての体育の授業だったからか、授業が終わった後に教科担任の先生に呼ばれた。
先生と少し話をして、校舎に戻る途中、女子の短い悲鳴が聞こえた。
「誰かいるの!?」と声を上げて、悲鳴が聞こえた方に駆けつける。
玄関から校庭に行くのに必要な道からは死角になっている所に、飛鳥がうずくまっていた。
「る、瑠稀……」
駆け寄り、手を貸して立ち上がらせたところで、ジャージ姿のルークが現れた。
ルークは、飛鳥の足元に落ちていたカッターを拾ってポケットに入れ、辺りを見回す。
怪しい影はなく、何事かと生徒が集まってきている生徒の中に紛れ込まれたかもしれない。
「保健室に行くぞ」
耳打ちされ、飛鳥を抱えて歩き出すルークに黙って付いて行く。