「また『α』?」
元気に挨拶したヤツ、相馬海都(ソウマ カイト)が雑誌を覗き込む。
「やっぱ『ファントム』だろ」
「──は?そんなもんより『Clown(クラウン)』だろ」
カバンを下ろして寄ってきたのは狐塚希里(コヅカ キリ)。
海都は『PHANTOM BELL』のファンで、希里は『Clown』ファン。
『Clown』というのは、5人組のバンド。
ついでに『ファントム』というのは『PHANTOM BELL』の愛称。
そして、4人の言い争いが始まる。
どうしてこうも毎日同じ事で言い争えるのか不思議でたまらない。
すでに登校してる生徒は、「またか」、「よく飽きないねぇ」と言った感じで傍観してる。
見てないであたしを助けて。