「ルークが誘き出すじゃダメなの?」
「誰だってこんな抜け目なさそうなのよりは瑠稀ちゃんの方を狙うでしょ」
莉央さんの言葉にルークはぐいっと右の眉を上げた。
「それに、エサは多い方がいいからね」
エサって……。
「まぁ、中身知ったら瑠稀ちゃんにも手ぇ出せないけどねー」
と言って笑う学の足を踏んで立ち上がる。
「あー、空腹通り越して何も感じないやー」
「罪悪感も感じないってことすか」
涙目で足をさする学に笑顔を向けて、簡潔に一言。
「学に罪悪感を感じたことは一度もない」
つーかお前が感じるべきだ。
莉央さんがそのやり取りを見てツボったのは言うまでもない。